猫の病気 ~歯周病~
猫のシャンプーやブラッシング・爪きりなどはきちんとやっている場合でも、歯のケアは難しくてやっていないという飼い主さんは多いのではないでしょうか?
猫の歯のケアは本当に必要なのでしょうか?
猫は虫歯にはならない?
猫は虫歯にならないという話しを聞いたことがあるかと思います。
猫の口の中はアルカリ性で、虫歯菌が繁殖出来ない環境の為猫は虫歯にはなりません。
たしかに人間の「虫歯」という病気で考えると「虫歯にはならない」と言えますが、「虫歯」もどきの病気が存在します。
獣医師さんが「虫歯になっている」と言う病気は、正確には「齲蝕」(うしょく)という歯の状態が進んでいって歯周病になっていきます。
難しい言葉なので、飼い主にも分かりやすく「虫歯」と言う表現をする事があります。
猫の歯の病気で恐れなければいけないのは歯周病と言えるでしょう。
歯周病
猫の歯は尖っている為、食べ物のカスが溜まりにくい構造になっています。
それでも時代と共に人間と同様に食べやすく作られているご飯を与えられるようになり、食べかすが尖った歯でも溜まりやすくなって来ています。
猫の虫歯は人間と同様に食べ物を食べてそのカスにより歯垢がたまり、やがて歯石になり歯周病になっていきます。
3歳以上の猫の80%は歯周病にかかってしまっていると言われています。
歯石がたまった猫
原因
猫の口の中にも人間と同様に菌がたくさんいます。
母猫から受け継いだ菌や、人間からの口移しなどによって移った菌など、猫によって様々です。
これにより、歯周病になりやすい猫・なりにくい猫がいますので、歯磨きしなくても歯周病にならない猫もいますし、歯磨きしていても歯周病になる猫もいます。
一匹が歯磨きしなくても歯周病にならなかったから、2匹目もならないというのは大間違いです。
主な症状
ご飯を食べて歯のケアをしないでいると、そのうち歯垢が付いてきます。
歯垢をほおっておくと、猫の場合は約1週間で歯石になってしまいます。
この歯石をほおっておくと、どんどんたまっていき歯茎にも炎症が起きだして歯周病になっていきます。
炎症がひどくなった猫
出典:https://www.ogikubo-animal.com/dental/
歯周病が進んでいくと、歯を支える骨まで溶けてしまって、歯や歯茎が痛み出しご飯も食べられなくなります。
また、猫の口臭がひどくなります。
予防方法
人間と同様に毎日の歯のブラッシングが有効です。
歯垢を無くす事が重要
猫用の歯磨き用品が売っていますので、そちらを使用して歯を磨いてあげる事で予防になります。
猫の歯磨きは大変ですが、猫の将来を考えてケアしてあげましょう。
【シグワン 360°歯ブラシ (猫用) 360°歯ブラシとして、国内最小の直径11.7mm (00636)】 価格:680円 |
食事の面で考えると、ウエットフードよりもドライフードのほうが歯には良いとされています。
ウェットフードは歯にへばりつくのに対し、ドライフードは硬い表面で歯にへばりついた汚れをそぎ落としてくれると考えられているからです。
おもちゃをよく咬んで遊ぶ事も有効です。
ペッツルート まゆ歯みがき じゃらし 【猫じゃらし/ねこじゃらし】【猫のおもちゃ・猫用おもちゃ】【猫用品】【猫用/歯ブラシ/デンタルケア】【ハブラシ/歯磨き/歯みがき】 価格:280円 |
その他にも、オーラルケア用の硬めのおやつなんかも市販されていますので、そちらを定期的にあげるのも効果的かもしれません。
診断方法
飼い主でも歯垢がついているかの判断は出来ます。
口の中を覗いてみて、歯の根元あたりに黄色か茶褐色っぽいものが付いていたらそれは歯垢です。
歯垢の状態でしたら、ブラッシングで除去する事が出来るので除去してあげましょう。
歯垢よりも硬そうなものが歯ぐきとの境目にあったらそれは歯石です。
歯石になってしまったら、飼い主では除去できませんので、動物病院で獣医師に除去してもらう必要があります。
歯石があったり、歯垢だけしかなかったとしても歯と歯茎の境目から血が出ていたり歯茎が腫れていたりする場合は、すでに歯周病が始まっている可能性があります。
すぐに獣医師に治療と今後のケアの仕方を相談しましょう。
治療法
歯石は飼い主では除去できないので、獣医師に治療してもらいます。
除去方法は人間の歯医者さんでの治療と同じです。
麻酔をして歯石を除去して歯の表面を研磨します。
歯周病の進行状況によって歯を抜いたり削ったり、治療にかかる日数も費用も変わってきます。
発症しやすい猫種
すべての猫種で発症します。
歯のケアをしていなければどんな猫でも発症のリスクはあります。
併発しやすい病気
腎不全
歯周病の猫は腎不全になりやすいと言われています。
口の中の細菌が血液に乗って腎臓を詰まらせて腎不全になる可能性があります。
外歯瘻(がいしろう)
歯周病により口の周りの骨が溶けていってそのせいで皮膚に炎症がおき穴が開く病気です。
内歯瘻(ないしろう)
歯周病によって口の中の骨が溶けていき、口内の粘膜に炎症が起き口の中に穴が開く病気です。
口鼻瘻管(こうびろうかん)
口の周りの骨が溶けた事により、口と鼻が貫通してしまう病気です。
歯肉口内炎
口の中が炎症によって腫れる病気です。
全身のどこでも病気になる
歯周病は人間でも全身の病気に関わると聞いたことがあるかと思います。
猫も同じで歯周病になる事によって、全身の病気になる可能性があります。
歯周病は口の中だけでは済まない
3歳以上の猫の80%がかかっていると言うのは、私にとって衝撃的な数値でした。
歯周病はほんとうに怖い病気です。
猫の口の中を確認するのはとても大変な事ですが、健康の為には必要な事ですね。
歯周病に一度かかるとほおっておくと猫も飼い主も大変な事になります。
猫はずっと苦痛に耐えてご飯も食べられなくなります。
歯周病の治療費は一回1万円位~10万円位かかると言われています。
しかも治療は一度では完治しない病気です。
猫にも飼い主にも一番いい方法は、毎日ケアしてあげる事だと感じました。
ねこのしっぽの物語 猫 ハブラシ 立て ミケ(三毛/ネコ/歯ブラシスタンド)【ネコポスも可能】 価格:610円 |
最後に・・・
ペットは人間と同じ生き物で、私達の家族です。
かわいいだけではありません。お世話も必要になってきます。
ペットが一生治らない病気になったら、介護が必要になったら・・・今からペットを飼おうと思っている方は、一度考えてみてから飼うかどうか決めてください。
そのあたりを覚悟してからペットを飼うようにしましょうね。
--------------------------------------------
※応援お願い致します!※