猫の病気 ~遺伝性骨形成異常症~
スコ座りはかわいいけれど・・・。
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遺伝性骨形成異常症
スコティッシュフォールドの折れ耳は遺伝性の軟骨形成異常によるものですが、耳意外の場所でも軟骨形成異常が悪さをする場合があります。
軟骨形成異常により発症するのが遺伝性骨形成異常症です。
遺伝性骨形成異常症は、スコティッシュフォールドの血統特有の遺伝子疾患で、軟骨や骨の形成不全によって、身体の骨が変形したり軟骨が増殖していったりします。
成長期の2歳くらいまでの間に発症する事がおおいですが、何歳でも関係なく発症事例があります。
主な症状
主に足や手や尻尾の骨が変形したり、軟骨が増殖して見た目にも分かるほどぼこぼことコブが出来てきたりします。
痛みを伴うので、歩き方や座り方が変になったり高い所へ登らなくなったりします。
コブが出来ていないようでも、触ると痛がるようでしたら発症の可能性があります。
一度発症すると進行性の病気なので、ほおっておくとひどいときには痛くて歩けなくなる場合もあります。
軟骨のある場所でしたら、どこにでも症状が出る可能性があります。
鼻の軟骨に症状が出た場合は、鼻血が出たりします。
鼻を触ると痛がったり、呼吸が困難になる場合もあります。
成長が止まると病気の進行も止まりますが、病気自体が治まるわけではありません。
一生、痛みと共にコブや骨の異常と付き合っていかなくてはいけません。
予防方法
遺伝性疾患なので、予防方法はありません。
折れ耳のスコティッシュフォールドの発症確率が一番高いと言われています。
だからといって立ち耳のスコティシュフォールドが発症しないわけではありません。
現在は折れ耳同士の交配は遺伝性骨形成異常症の発症リスクが高い為全世界的に禁止の方向へ行っていますが、それでも日本国内では販売されています。
どのような交配をしたのか大変重要になってきますので、おうちへ迎え入れる時には確認をする事が必要かと思います。
診断方法
レントゲンを撮り、骨や軟骨の異常を確認します。
また、遺伝性骨形成異常症を発症した場合、内臓にも異常が出る可能性もあるので血液検査などで他に異常が出ていないかを確認します。
右が正常な前足。左が軟骨瘤の前足。
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治療法
発症してしまうと、完全に治る治療法は現在のところありません。
痛みを和らげる鎮痛剤を使うなど、対処療法をしていきます。
軟骨が歩行に影響を与える等の場合には、外科的治療を行う事もあります。
発症しやすい猫種
・スコティッシュフォールドの血筋を引き継いでいる猫
この遺伝疾患を持って生まれるのは、スコティッシュフォールドの血統を引き継いでいる子猫です。
例えばスコティッシュフォールドと他の猫のミックスだった場合でも、遺伝しうる病気です。
折れ耳を持っているミックスは、スコティッシュフォールドとの交配の可能性が高いので、発症する可能性があると言っていいでしょう。
わが家のすずめさんは立ち耳スコティッシュフォールドです。
よ~く見ると、奇形があります。
白い線を引いたところの骨が90度近くに曲がっています。
わが家に来たときからすでにその状態でした。
触っても痛くもないようなのでとりあえずは安心しています。
でも、いつ遺伝性骨形成異常症を発症するか分かりません。
もちろん、お店の方に尻尾の事も含めて説明を受けて納得してから迎え入れました。
併発しやすい病気
遺伝性骨形成異常症を発症した場合、遺伝性心疾患や腎疾患を発症する場合があります。
隅々まで検査してもらう事をお勧めします。
遺伝性の病気は完治が難しい病気
遺伝性の病気を発症すると、一生付き合わなくてはいけない事が多いようです。
とくに遺伝性骨形成異常症のように痛みを伴う場合は、飼い主は愛猫の痛がる姿を看取るまで一生見ていかなくてはいけない事になります。
とてもつらい事ですよね。
現在では世界的に猫が苦しむような、遺伝性疾患を引き継ぐ交配は禁止される方向に動いていっています。
日本での法整備はまだされていませんが、本当に動物の事を考えているブリーダーさんでしたら、きちんと世界に習っての交配をしています。
売れた後なら病気になっても関係ないと思っているような、悪徳ブリーダーもたくさんいることは間違いないです。
本来ならこのような遺伝子を持つ猫はペットとしていないほうが良いと言う事で、スコティッシュフォールドを売るなとの意見もあるくらいです。
ペットを飼う側にも、そのあたりの知識が必要だなと感じました。
この子は悪質ブリーダーによって折れ耳同士の交配で生まれた子です。
この大きさで1歳5ヶ月だそうです。
また4~5ヶ月の子猫にしか見えません。
全身の遺伝性骨形成異常症で、成長が妨げされてしまったようです。
この事により他の病気も併発してしまっています。
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いたるところに骨瘤が出来て、歩くのも大変そうです。
触ると痛がるようです。
現在は悪質ブリーダーから保護されて、やさしい飼い主さんと一緒に病気と闘いながら暮らしているようです。
最後に・・・
ペットが病気になって面倒見切れないからと言って保健所に連れて行ったり、里親を探してもらうような飼い主さんには元々ペットを飼う資格はありません。
ペットが一生治らない病気になったら・・・今からペットを飼おうと思っている方は、一度考えてみてから飼うかどうか決めてください。
そのあたりを覚悟してからペットを飼うようにしましょうね。
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