寄生虫の大まかな分類
いやいや、あなたの顔がこわいですよ
猫だけでなく、動物の天敵、ノミ・ダニなど寄生虫の季節となってまいりました。
すずめのかかりつけ動物病院では、5月~11月の予防措置を推奨しています。
1ヶ月に一度、動物病院で駆除剤をもらってきて家で処置しています。
寄生虫には、ノミやダニなど広く知られているものの他にも、猫が感染したら危険な寄生虫もたくさんいます。
猫が感染する寄生虫には、大きく分けて2種類の寄生虫がいます。
外部寄生虫
猫の毛や皮膚の表面に寄生する寄生虫です。
内部寄生虫
猫の腸や皮膚内部などに寄生する寄生虫です。
今回はこの2種類の中から外部寄生虫の種類と寄生方法と駆除方法について掘り下げてみます。
外部寄生虫
※ここから外部寄生虫の画像が出ます。※
※苦手な方は目を細めて見るなどしてご覧ください。※
外で飼っている猫だけに寄生するわけではありません。
人間が外出の際に、衣服についてしまったり、家に侵入してきた虫についてくる場合もありますので、決して家の中で飼っている猫は安全というわけではありません。
普段から、駆除剤による予防を心がけましょう。
ノミ
体調1mm~9mm の小さな虫です。
全世界・日本全土に分布していて、動物の体表に寄生し、吸血して生活しています。
ネコノミ・イヌノミ・ヒトノミなど全世界で1800種類が生息しています。
寄生方法
外猫では外の様々な経路から寄生します。
人間が野良猫を触ったりする事で持ち込むこともあります。
また、人間がズボンにつけてそのまま家の中に入り持ち込む場合もあります。
見つけ方
ノミが噛んだりごにょごにょと動くので、猫が痒がります。
猫の毛を掻き分けてみて、黒いゴマのようなものが動いていたらそれはノミかもしれません。
さらに小さい黒い砂の粒のようなものが猫の身体の表面にぶつぶつとあるようならば、それはノミの糞かもしれません。
予防方法と駆除方法
ノミ予防と駆除には、駆除剤と使用します。
動物病院で販売されています。
必ず猫用のノミ駆除剤のみを使用してください。
犬用を代用する事は出来ません。
家に残っていた犬用駆除剤を代用するなどは考えないでください。
市販のノミ取りシャンプーやノミ駆除剤は、ノミを死滅させる効果は望めません。
また、信頼出来ないものを使用すると猫に害がある場合があります。
あまりおすすめは出来ません。
ノミが発見された場合は、つぶしてはいけません。
卵が飛び散りますので、さらに広がる可能性があります。
ノミ駆除剤を使用し、根気よく待ちましょう。
猫の体表にノミがいた場合、家の中にもいる可能性があります。
家全体のノミ駆除をしたほうが良いでしょう。
完全に駆除するには、3ヶ月ほどかかると言われています。
原因となる猫の病気
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液にアレルギー反応が起きる病気です。
1匹のノミの寄生だけでもアレルギーが起きる可能性があります。
患部が痒くてかきむしり、脱毛が起きます。
体内へのサナダムシの寄生
ノミの体内にいたサナダムシの幼虫を、猫がグルーミングの際に飲み込んでしまって体内に入り寄生してしまいます。
サナダムシは人間の体内でも生きていけます。
特にお子様は注意が必要です。
貧血
ノミに血を大量に吸われる事で猫が貧血になる事があります。
猫ヘモバルトネラの媒介
ノミに血を吸われる事で、ヘモバルトネラというマイコプラズマの一種の細菌に感染し、赤血球を溶かしてしまい貧血になります。
バルトネラ菌による猫ひっかき病
バルトネラ菌に感染した猫に引っかかれたりする事で人間が感染します。
ノミに直接人間が咬まれた場合にも感染する事があります。
ひっかかれた傷口から感染し、傷口が化膿したり、倦怠感や発熱起きたりします。
高齢者や子供がかかると、まれに重症化することもありますので、軽く考えてはいけない病気です。
猫には寄生しても症状は出ない事が一般的です。
マダニ
幼虫で1mmくらい、成虫で3~4mmくらいです。
吸血したあとには、1cmくらいにも膨れ上がる場合があります。
日本全土に生息していて、ヤマトマダニ・オオトゲチマダニ・キチマダニ等がいます。
人間にも大変危険で、咬まれると命にかかわる病気になる事もあります。
寄生方法
マダニも外に普通にいる寄生虫です。
外猫は野良猫と接触して連れてくる事が多いです。
内猫でも、人間が草のある場所を歩いたり、外猫を触ったりして連れてくる事が多いです。
人間を咬む種類もいます。
見つけ方
ノミよりは大きいので、目視で猫の表面についているのを確認する事が出来ます。
特に吸血をした後は、体が倍近くに膨れ上がるので、猫が搔いているあたりを見ると、安易に発見できる場合があります。
ただし、見つけた際には無理に取ろうとしてはいけません。
咬まれたところが化膿したり、病原菌を猫の体内に入れてしまうかもしれません。
マダニを発見したら、動物病院へ連れて行きましょう。
予防方法と駆除方法
猫が家に帰ってきたら、頭や耳や足などにマダニが付いていないか確認しましょう。
痒がっていることがあったら、患部を確認しましょう。
マダニもノミのようにダニ駆除剤で予防と駆除を行います。
原因となる猫の病気
猫ヘモバルトネラの媒介
ノミと同じように血を吸われる事で、ヘモバルトネラというマイコプラズマの一種の細菌に感染し、赤血球を溶かしてしまい貧血になります。
バルトネラ菌による猫ひっかき病
バルトネラ菌に感染した猫に引っかかれたりする事で人間が感染します。
マダニに直接人間が咬まれた場合にも感染する事があります。
ひっかかれた傷口から感染し、傷口が化膿したり、倦怠感や発熱起きたりします。
高齢者や子供がかかると、まれに重症化することもありますので、軽く考えてはいけない病気です。
猫には寄生しても症状は出ない事が一般的です。
マダニから感染する怖い病気のひとつです。
猫の元気や食欲が無くなり、熱が出ます。
感染した猫にかまれて感染した場合、2週間ほどの潜伏期間ののち倦怠感・発熱・けいれんなどの神経症状がでたりします。
重症化すると最悪の場合死に至る場合があります。
マダニに咬まれた際に、リケッチアという細菌に感染して、発熱などが起こる病気です。
症状が出ない事もあります。
人間にも感染し、発熱・倦怠感・頭痛などが起きます。
抗菌薬の投与で治す事が出来ます。
ライム病
マダニに咬まれた時に、ボレリア菌に感染した場合、倦怠感・発熱・発疹などの症状が起きます。
人間も感染します。
同様に倦怠感・発熱・発疹・頭痛・関節痛などが起きます。
症状に応じて抗生物質を投与します。
ネコツメダニ
寄生方法
0.4mm~0.5mmの小さなダニです。
外に普通にいるダニで、特に野良猫などに生息している場合が多いです。
出展:https://www.konekono-heya.com/
頭にカギの付いた爪を持っている特長的なダニです。
見つけ方
ノミと同じように小さいので、痒がっていたりしたら患部をよく見るとゴマのようなものが見える場合があります。
予防方法と駆除方法
ダニ駆除剤の定期的な投与が効果的です。
原因となる猫の病気
ツメダニ症
痒いので幹部を引っかきます。
その際にフケのようなものが大量に落ちます。
人間が感染すると、ダニ刺咬性皮膚炎を発症します。
ヒゼンダニ
寄生方法
どこにでも普通にいるダニです。
体長が400μmと、非常に小さく肉眼では発見できない大きさです。
小さな体なので、毛穴などに隠れる事が出来ます。
他の動物とちょっと触れただけでも、寄生されます。
見つけ方
ヒゼンダニ本体を発見するのは非常に困難です。
症状が出てから寄生されたことに気づくのがほとんどです。
予防方法と駆除方法
ダニ駆除剤での予防と駆除になります。
原因となる猫の病気
皮膚疥癬症(ひふかいせんしょう)
猫がすごく痒がったり、皮膚をかきむしったりしたらこの寄生虫のせいかもしれません。
多頭飼いをしている場合は、この寄生虫は一気に広がります。
予防措置が大事です。
人間にも一時的に寄生する可能性があります。
ミミヒゼンダニ
寄生方法
ヒゼンダニと同様に小さいダニです。
野良猫や草むらに潜んでいます。
見つけ方
耳の中や耳周辺に潜んでいるのですが、寄生された頃は見つける事は不可能です。
寄生されてからしばらくすると、耳の中がダニの糞で黒ずんできます。
そこでようやく発見できるようです。
予防方法と駆除方法
こちらも予防と駆除はダニ駆除剤で行います。
予防が大事です。
原因となる猫の病気
耳疥癬(耳ダニ)
耳ダニは耳たぶから鼓膜までの広い耳の中に寄生します。
痒みが出て、ひっきりなしに耳の周辺を引っかきます。
ネコハジラミ
大きさは1mm~1.5mmほどです。
寄生方法
寄生されている他の猫との接触によって寄生されます。
見つけ方
シラミ取り櫛などに引っかかる場合があります。
予防方法と駆除方法
シラミ駆除剤による予防と駆除が効果的です。
ただし、駆除剤は卵には効果がないので、シラミ取りシャンプーなどを併用して駆除する事が多いです。
寄生範囲・患部が広範囲にわたる場合には、毛を刈って対処する事もあります。
原因となる猫の病気
毛じらみ
出展:http://www11.plala.or.jp/sato-vet/
シラミが寄生して痒がる症状が出てきます。
ほおっておくと大量に繁殖して全身に広がり、脱毛などが起きます。
この毛じらみはネコハジラミが起こす毛じらみで、人間にはうつりません。
人間にも危険な寄生虫
猫に寄生する外部寄生虫だけでもたくさんの種類があります。
猫の生命を脅かすだけでなく、人間にも寄生し命を脅かす寄生虫もいることを、猫を飼っている皆様はご存知でしたでしょうか?
正直、私は命に関わるようなものまでいるとは知りませんでした。
ノミやダニなんて、子供の頃の外猫には普通にいて刺されたりしていましたから。
予防には、定期的な駆除剤の投与が効果的です。
是非愛猫の為にも、大事なご家族の為にも、投与をお勧めします。
これを機会に動物病院で予防してみてはいかがでしょうか?
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